横浜国立大学(Yokohama National University)の高須悠介(Yusuke Takasu)のホームページ

Lecture

講義モットー

単にある考え方を学ぶことに留まらず,その考え方に基づいた仮説思考とその検証という「学習⇒予測⇒検証」を念頭に置きながら講義を構築しています。例えば,企業会計の機能として挙げられる「責任解明」(経営を委託された経営者がその責任を果たしているかを会計が明らかにすること)を学ぶときには,経営者が退職するまでの在任期間と企業業績の関係性についてのグラフを提示し,クラスでの議論の題材としています。多くの場合はこのように2変数の関係性を取り上げ,多少の単純化のし過ぎはあるにせよ,データから事象を考えることを大事にしています。

経営者の在任期間と退職期の業績のグラフ

国際会計制度(学部)・国際会計(ビジネススクール)

学部講義(3年次以上,半期15回),MBA講義(半期12回)において,国際会計(主にIFRS)を題材に講義をしています。日本基準と比較した場合の会計基準の差異の紹介に加え,そのような差異によって企業の見た目(業績など)がどのように変わりうるのかを実際のデータや実例に基づいた仮想ケースを使いながら説明をしています。

減損の戻入

他にも大規模なサンプル(例.日本の上場企業2000社✕過去10年=20,000観測値を超えるようなサンプル)を用いて,財務会計に関する様々な予測の検証を行っています。ここでは,減損損失を計上した観測値をその損失規模(対総資産比)に応じてグルーピングし,それぞれのグループのその後の(同業他社の成長率控除済み)売上高成長率の平均値を提示しています。どのようなことが言えそうでしょうか。

減損損失と将来成長率

財務諸表分析(非常勤)

2年次以上向けに財務諸表分析の講義を行っています。膨大な数・種類の企業行動が集約された財務諸表データと他の情報ソース(プレスリリース,雑誌記事,分析者の直感など)との行き来を通じて,企業の実態を読み取ることを狙いとしています。

企業別コスト構造分布

このグラフは製菓3社(森永製菓,江崎グリコ,カルビー)の売上高に占める売上原価の比率(売上高原価率)と売上高に占める販売費及び一般管理費の比率(売上高販管費率)の推移を示しています。他2社と比較して,カルビーは売上高原価率が改善していることが分かります。

製菓3社の原価率と販管費率

このグラフは製菓3社(森永製菓,江崎グリコ,カルビー)の有形固定資産回転率(売上高÷有形固定資産)の推移を示しています。有形固定資産回転率が高いほど,限られた資源(有形固定資産)を有効に活用し売上に繋げていることを意味します。この比率についても他2社と比較してカルビーの改善が確認できます。この時期にはなにがあったのでしょうか。インターネットで少し調べてみると容易に一つの仮説を立てることができると思います。

製菓3社の原価率と販管費率